STORY

笑って、走って、楽しみながら。
体を動かして汗をかくから、JUMP-JAMが好き!

2019.11.16

立川市にある西立川児童会館(以下、児童館)に、JUMP-JAMが大好きな小学生の女の子がいると聞き、会いに行ってきました。女の子が赤ちゃんのころから、ずっと児童館に通い続けているお母さんにもお話を伺うことができました。親子にとって、JUMP-JAMはどんな存在なのでしょう。


◆子育て中、オアシスだった児童館



JR西立川駅から歩いて数分。児童館に近づくにつれ、子どもたちが元気に遊ぶ声が通りにまでよく聞こえてきました。こんもりした木々に囲まれた児童館に入ると、入口には大きなJUMP-JAMののぼり旗とポスターがありました。JUMP-JAMを多くの方に知ってほしいという児童館職員の想いから、入口に掲示しているそうです。


結婚後立川市に引っ越し、子どもが生まれるまで、会社員として働いていたあきこさん。妊娠して産休をとったときに、周りには誰も知り合いがいませんでした。
「子どもが生まれても子育てのことを相談する人が誰もいないんです。そんなときにこの児童館が家の近くにあることに気づきました。それまでは、この建物があること自体全く気づかなかったんですよ」と笑います。


こちらの児童館では、毎月乳児の体重と身長測定と写真撮影を希望する親子におこなっています。あきこさんもその利用者の一人。第一子が4カ月のときから児童館に通いはじめ、児童館との付き合いはすでに11年になります。


子どもが乳児のころは月に何度か、幼児のときは毎日のように児童館に通い、それは下の子のちさとさんが生まれてからも変わりませんでした。悩みがあれば児童館に行き、子どもの様子を見てもらいながら職員に相談し、聞いてもらうだけでも安心できました。また、毎日のように通うことで、ママ友もたくさんできました。「ここがなければ、子育ては無理だったかも」とあきこさんは感じています。

今でこそ子どもたちは一人で児童館に行けるので、あきこさんが児童館を訪れる回数は減りました。それでも子育てで心配なことや悩み事があると、つい訪れたくなる頼りになる存在だといいます。


◆遊びの中で、体を動かしていきたいからJUMP-JAM



娘のちさとさんは、現在小学3年生。
「幼稚園のときから、かけっこが大好きで走るといつも一等でした。走るのもボール遊びも好きだけれど、鉄棒はちょっぴり苦手」と恥ずかしそうに語ります。

習い事も増え、最近では、水曜日が児童館に行ける唯一の日です。JUMP-JAMに参加するために「早く行かなくちゃ!」と、大急ぎで学校から帰って来るとか。


他の平日は学校と習い事で終わってしまい、運動らしい運動はできません。そこで、土日は毎週のように、近くにある国営昭和記念公園に家族で行って遊んでいるそうです。


あきこさんによれば、
「私も夫も、小さい頃は水泳やサッカーなど『体を動かす習い事』をした経験がなく、遊びの中で知らず知らずのうちに体を動かしてきました。ですから、なるべく普段の遊びの中で運動遊びをしてほしいという気持ちがあります。大きくなって、何か競技に興味を示せば、その時は習わせたいと思いますが」。
そんな気持ちもあって、土日には家族で体を動かす機会をつくっているそうです。

◆強い子、弱い子、小さな子。みんなと遊んで協調性を育む



遊びの中で体を動かしてほしいと考えているあきこさんにとって、JUMP-JAMの考えや取り組みはとてもフィットするものがありました。


2018年にJUMP-JAMを取り入れるようになった西立川児童会館。ちさとさんも、最初はお友達に誘われて参加しました。
「参加してとっても楽しかったので、大好きになりました」とちさとさん。
家に帰ればあきこさんに「今日はこんな遊びをした」「こんなことがあった」と目をキラキラと輝かせて話してくれるそうです。

JUMP-JAMは、それまでの運動遊びとどういうところが違うのでしょうか。
「うーん。JUMP-JAMは他の学年の子とも遊べるし、笑いながらできる。とても楽しいです」とちさとさん。


身体が大きかったり、学年が上の子と遊ぶのは怖くはないのでしょうか。
「優しい子もいるし、怖い子もいるけれど、優しい子とは仲良しになれます。怖い子とはちょっとだけ仲良しになります(笑)」

逆に体の小さい子や運動が得意でない子には、どのように接するのでしょうか。
「私は小さい子が好きなので、転んだらすぐ助けてあげるし、逃げるとき、『こっちだよーっ』と言ってあげたりします」

JUMP-JAMで遊ぶようになってから、体格や年齢の違う子とも遊ぶようになったちさとさん。遊ぶ中で、多様な子とふれあい、さまざまな人間関係を学んでいるようです。


あきこさんも、ちさとさんがJUMP-JAMで遊ぶようになって、協調性が身につき、自然と思い遣りのある行動がとれるようになってきたと感じているそうです。

◆弾ける笑顔に、ほとばしる汗。いつの間にか運動量マックス!



「みんなJUMP-JAMはじめるよー」の職員の声で、わらわらと集まってきた子どもたちは15人ほど。
ちさとさんの大好きな、しっぽ取りが始まりました。弾かれたように、お友達とはしゃぎつつ、全速力で走ったり、しゃがんだり、くるくる回転したり。相手にしっぽを取られないよう、きゅっと体の向きを変えたと思ったら、後ろからきた思わぬ相手にすっとしっぽを取られてしまったり。しっぽを取っても取られても、みんな笑顔です。


この日、JUMP-JAMに参加しているちさとさんの様子を見たあきこさんは、感じるところがあったようです。


「家族と遊んでいると言っても、やはり大人と子どもになってしまいますから、手加減をしたり、家族なので甘えがあったりするんでしょうね。今日の様子を見ていると、家族といる時とはまた全然別の、いい顔をしていて驚きました」。ちさとさんの弾ける笑顔に、あきこさんも嬉しそうです。

「手加減をしない容赦のない上級生もいるかもしれませんが、それもいい経験だと思うんです」とあきこさん。「自分の本当の力を知るということも大切だと思うし、力の強い子に接していれば、小さい子には優しくしないといけないということが、わかるはず。でも、動きの速い子に食らいついて、しっぽを奪ったときは、本当に嬉しそうですね(笑)」


家庭での親子遊びから、仲の良い友達同士への遊びへ。さらに性格も体型も年齢も違う子どもたち同士で遊ぶJUMP-JAMへ。

しっぽ取りのあとは、レンジおに、ふえるふえる手つなぎおになど、何種類かのゲームで遊び、顔を真っ赤にして汗だくの子どもたち。いつの間にか大変な運動量をこなしていました。熱気のあふれた体育館は、いつまでも笑い声が響いていました。

幼い頃からお母さんとともに児童館に慣れ親しんできた、ちさとさん。小学生になってからごく自然にJUMP-JAMと出会い、遊びながら身体を動かすことを心から楽しんでいました。今回のお話を通じて、これからも運動遊びを通じてちさとさんが成長していく様子が想像でき、JUMP-JAMの可能性を垣間見ることができました。


(文 宗像陽子 写真 平林直巳)
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