STORY

私自身も運動が不得意。
だからこそ苦手意識を持つ子どもたちに楽しんでもらいたい

2020.02.14

JUMP-JAMは現在、都内に約600館ある児童館のうち、約1割強にあたる72館で実施されています。その中の一つ、立川市にある西立川児童会館(以下、児童館)では、ほぼ毎日ようにJUMP-JAMの時間を設けています。職員の前田美和さんに、普段の児童館での様子を伺いました。



【プロフィール】
前田美和
1989年より幼稚園教諭として勤務。1999年より社会福祉法人 西立川児童会館 西立川学童保育所にて1年間アルバイトを経験した後、同学童保育所にて放課後児童支援員として勤務し現在に至る。

◆子どもたちが自ら遊びを選べるのが児童館



JR西立川駅から歩いて数分。木々に囲まれた公園と隣り合った場所に、西立川児童会館はあります。館内には運動できるホール、図書室、集会室、実習室があり、午前中は主に乳幼児と保護者が過ごし、午後は小学生の子どもたちが立ち寄って本を読んだり工作したり、ボール遊びなどをします。夕方には中学生や高校生もやって来て、勉強をしたりおしゃべりをしたり、子どもたちが思い思いに過ごせるアットホームな空間です。



前田さんは、児童館で勤務して20年ほど。児童館職員になる前は、幼稚園教諭として10年ほど勤務していました。子どもたちにかかわる仕事を選んだのは、幼い頃から、自分より小さい子の面倒を見るの大好きだったこと、また初めて出会った幼稚園の先生に憧れていたことが理由だそうです。幼稚園とちがい、児童館の良いところは、大人ではなく子どもたちが主体になって自ら何をして遊ぶか選べるところだといいます。



◆運動が得意ではなかった自分が、自信を持って子どもたちと動けるように



JUMP-JAMでは、児童館職員に向け、子どもたちの可能性を引き出すための「ファシリテーション」や「コーチング」のスキルを高めるためのトレーニングを定期的に実施しています。前田さんもトレーニングを受け、その際自身の気持ちの変化があったそうです。

「私自身は、もともと運動が得意な方ではなかったんです。みんなを引っ張るリーダー役も、人に任せてしまっていました。でも、JUMP-JAMのトレーニングを受けてみたら楽しかった。その楽しさを、子どもたちにも伝えていきたいと思ったんです。その気持ちが自信にもつながり、いまは自ら率先して子どもたちと楽しく身体を動かせるようになりました」



◆スタートして1年、子どもたちにも変化が起き始めた



実際に子どもたちと遊ぶうち、前田さんが感じるJUMP-JAMの良い点は、勝ち負けにこだわることなく、運動が得意不得意に関係なく誰でも楽しめるところだといいます。導入して1年ほどたった今、子どもたちにも変化が出てきたそうです。



「最初は、子どもたちにとっては『JUMP-JAMってなに?』からのスタートでした。なので、館内でポスターを掲示して告知コーナーを作りました。子どもたちにも徐々に浸透し身体を動かす楽しさを感じ始めてくれて、今でははすごく意欲的に参加してくれるようになりました。いつも図書室にいるような子も運動ホールに行って、積極的にJUMP-JAMに来てくれるようになりました」

(西立川児童会館HPから https://nt-fujiduka.jimdofree.com/)



さらに、JUMP-JAMで遊ぶうちに、子どもたちがコミュニケーションの上手な取り方やチームワークを自然に身に付けていく様子が見てとれるそうです。


現場でのお話を通じて、日常的に子どもたちが身体を動かせる機会として、JUMP-JAMが良いきっかけとなっていることを改めて感じることができました。
前の記事 記事一覧 次の記事