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中高生のサードプレイスで心も体も思いっきり発散!
JUMP-JAMが打ち解けるきっかけに

2022.08.09

浮間子ども・ティーンズセンターは、2020年4月に北区立浮間中学校・浮間図書館との複合施設としてリニューアルオープンした施設です。通常のJUMP-JAMは小学生の参加がメインですが、ここでは中高生世代が参加しているそうです。ティーンズに向けてどのようにJUMP-JAMを活かしているのか、職員の甲田さんにお聞きしました。

(プロフィール)
北区浮間子ども・ティーンズセンター
甲田(こうだ)
子どもが好きで、保育士を目指して大学で資格を取得。学童クラブ勤務をきっかけに、小学生と一緒に遊ぶ楽しさとやりがいを知り、児童館職員の道へ。


◆サードプレイスとして機能する子ども・ティーンズセンター



北区にある浮間子ども・ティーンズセンター(以下、ティーンズセンター)は、 JR浮間舟渡駅から徒歩2分の便利な立地にあり、ティーンズ(中高生)を中心に、乳幼児親子や小学生など幅広い年代が交流できるラウンジと、中学校の施設である武道場や和室が共有できます。スポーツの設備だけでなく、ギターやドラムセットといった楽器を練習できる部屋があるなど、限られた空間をうまく利用した空間づくりがなされています。併設している浮間中学校の生徒は制服での来館がOKのため、放課後や部活が始まるまでの隙間時間に利用する中学生が多数。そのリラックスした表情から、ティーンズセンターが、学校と家以外のもうひとつの居場所・サードプレイスとして機能していることがわかります。

JUMP-JAMを担当する甲田さんは、区内の別の学童クラブに勤務後、2020年にティーンズセンターに配属。0歳から18歳未満という幅広い年代の子どもたちと接することで、年齢に応じたかかわり方や成長を日々学んでいるといいます。

以前の勤務先である学童クラブではJUMP-JAMを実施していなかったため、ティーンズセンターに配属されてからJUMP-JAMの研修を受け、現在は甲田さん含めて6人の職員で担当しています。

「中高生の利用が多い施設なので、卓球やバトミントン、バスケットボール、バレーボールといったスポーツをして過ごす子どもたちもたくさんいますが、JUMP-JAMは運動能力にかかわらず楽しく体を動かせるのが魅力だと思います。月に一度15:00に開催していることもあって、参加者は中学生がメイン。最初はJUMP- JAMが何かもわからないし、ちがう学年の子がいるというのもあって緊張した感じで集まるのですが、いざ始まって一緒に体を動かして遊ぶと打ち解けた感じになってくるのがわかります。JUMP- JAMをきっかけに友人関係が生まれることもありました」

◆中高生が楽しめる工夫やアレンジをプラス



年齢を問わず楽しめるJUMP-JAMですが、中学生ともなるとゲーム内容の把握もスムーズなので、さまざまなアレンジを楽しめます。「せーのでボッチャ」といった道具を使ったゲームが人気で、小さいものから大きいもの、形がおもしろいものといったアイテムをそろえて難易度を上げるなど、中学生が飽きずに楽しめる工夫もしているのだとか。

「フラフープを置いてその輪っかからはみ出さずに玉入れをするといったゲームをやったことがあります。最初は『絶対入るでしょ』『楽勝!』といった雰囲気だったんですが、やってみたら意外と難しかったようですごく盛り上がりました。チーム戦のゲームをすると白熱して仲間からの声援がどんどん大きくなっていったり。中学生くらいになると、スポーツ以外で単純に走り回ることも少なくなるので、JUMP-JAMのような遊びが新鮮にうつるのかもしれません。体だけでなく心の発散もできているように思います」

◆浮間子ども・ティーンズセンターならではの方法を模索



現在JUMP-JAMは月に一度の開催。浮間中学校の生徒には、開催のお知らせを学校で配布されているタブレットに配信し周知していますが、コロナ禍ということもあって参加する生徒はまだ多くはありません。甲田さんは、「今後は浮間中学校の校庭を借りてJUMP-JAMを実施するなど、通りかかった子どもたちが気軽に参加できる機会が増えるといいですね」と話します。また、乳幼児親子向けのJUMP-JAMにも興味があるとも。

「乳幼児と中学生がどちらも楽しめる形でJUMP-JAMを行うのは難しいし、普段も安全面から乳幼児と中高生の部屋は分けているのですが、中高生の中には職員のお手伝いを買って出てくれる子や、お祭りといった行事でボランティアをしてくれる子も多くいます。そのイメージで、JUMP-JAM経験者の中学生に乳幼児親子向けのJUMP-JAMを手伝ってもらうといった交流をつくることはできると思います」

小学生の利用が多いエリアの児童館では、JUMP-JAMのキッズリーダーの活動などを通して子どもの自主性やコミュニケーション能力を育む取り組みが行われています。一方、浮間子ども・ティーンズセンターはティーンズが主役。JUMP-JAMを続けていくことで、この施設だからこその活動や、子どもの成長に寄り添う方法が見えてくるかもしれません。

(高校生たちの様子)

◆高校生になってもJUMP-JAMは楽しい!



取材当日は浮間中学校の3年生が修学旅行の振替でお休みだったこともあり、中学生の利用者がいつもより少ない状況でしたが、テスト勉強のために訪れていた高校生4人と職員数人がJUMP-JAMに参加。ひとりは浮間中学校の卒業生で、ティーンズ・センターを他の3人に紹介したところ気に入って通うようになったといいます。

まずは準備運動として、「コーディネーションジャンケン」からスタート。ジャンケンで勝った人、負けた人、あいこだった人がそれぞれ決められた動きをすることに。普段からスポーツをしている4人からは「勝った人は、腕立てふせ10回」などハードなお題が課され、準備運動の段階から息切れする様子も見られました。

この日に行ったゲームは「しっぽ取り」。2チームに分かれて何度か行った後は、相手チームの王様がわからない状態で「王様しっぽ取り」を行いました。ファシリテーターは両チームの王様を把握していて、どちらかの王様のしっぽが取られるか、全滅したら終了というルール。走るスピードが速く動きも機敏なため、参加していない見学者にとっても見応えがあって楽しめました。終わった頃にはみんな汗だくに。高校生からは、「バスケをやっていますが、“逃げる”動きは普段しないので新鮮でした」「思っていたより疲れたけど、スポーツとはちがった楽しさがありました。またタイミングが合えば参加したいです」といった声が聞かれました。

中高生になると体格差や運動能力の差が大きくなってきますが、その影響が少ないのもJUMP-JAMの特長。異年齢交流に適しているだけでなく、個人差が大きくなる中高生のコミュニケーションにも活かされています


==ティーンズセンターでの人気ゲーム==
しっぽ取り
せーのでボッチャ
オセロがえし
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