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児童館職員に向けたJUMP-JAMトレーニングを開催!

2019.12.06

11月16日(土)、17日(日)の2日間、児童館職員に向けたJUMP-JAMトレーニングを國學院大學渋谷キャンパスの体育館にて開催しました。

このトレーニングは、児童健全育成推進財団がナイキとパートナーシップを組み、子どもの運動状況を知り実技を指導する各分野の専門家から、児童館職員に向けてJUMP-JAMへのさらなる理解を促すために定期的に実施するものです。これにより、児童館職員がJUMP-JAMを通じて子どもたちの可能性を引き出すことを支援しています。

今回は都内各所の児童館から、2日間で計94名の児童館職員が参加しました。

当日は、まずアメリカから来日したナイキ本社のソーシャル・コミュニティ・インパクト担当であるケイトリンさんから、JUMP-JAMの根幹となる考え方についてお話ししました。ナイキの信念である、“Made to Play” (「すべての子どもは遊ぶために生まれてきた」という意味) は、世界各国の子どもたちに対し共通して抱いていることであり、それは日本における運動遊びプログラムJUMP-JAMでも同じ想いであることを伝えました。

続いて、ナイキジャパンの森本美紀さんから日本の子どもたちが抱える課題について紹介しました。現代の子どもたちは、将来大人になって競争社会に勝つための教育に時間をとられ、遊ぶ機会そのものが圧倒的に少なくなっています。その窮屈な環境の中で子どもたちは柔軟性を失い、自分を自由に表現することができなくなっています。JUMP-JAMを通じて、とにかく遊んで身体を動かして楽しむことを体験してほしいと語りました。

児童健全育成推進財団の阿南健太郎さんからは、JUMP-JAMプロジェクトの最新状況について報告しました。いまJUMP-JAMには50のプログラムがあり、都内にある約600館の児童館のうち、1割以上を占める72館が定期的に実施していること、児童館以外にも近隣小学校や商業施設などでイベント的に実施していることなどを紹介しました。

講義の後は、職員同士で実際にJUMP-JAMのゲームで遊びました。実技の講師となるのは、運動遊びやスポーツに関するコンサルティングやトレーナー養成を行う一般社団法人ルーデンスジャパン代表の山田恭平さんや、初期からJUMP-JAMを実施している児童館職員たちです。

最初はルールが比較的シンプルなゲームから始め、途中から講師からの提案でチーム制にしたりオニ役をつくったり、移動をスキップやケンケンにするなど動きに変化を付けたりと、どのようにゲームをアレンジし進行するかを参加者全員で体験しました。ゲームが終わった後「このチームは優勝!」とは言わず、「このチームはここがすごかった!」と勝ち負けに意識を向けないように講師からポイントを伝えます。JUMP-JAMを通じて勝ち負けを超える楽しさがあることを、子どもたちに体験してもらいたいのです。

実技の合間には、JUMP-JAMのプログラムを監修する千葉工業大学創造工学部教育センター(体育室)引原有輝教授から、現代の子どもの運動状況を科学的に分析した結果について紹介いただきました。幼少期に身体を動かすことが楽しいと感じる子どもと、感じない子どもでは、将来にわたって運動量が大きく変わってしまい健康な体を維持できるかどうかにも大きく影響してくることがわかりました。

トレーニングを終えた児童館職員からは、「遊びのアレンジや声掛けのコツがわかった」「型にとらわれずいかに楽しくするかが大切だと感じた」など、JUMP-JAMについてより深く理解いただけたようでした。

JUMP-JAMプロジェクトでは、今後も現場の児童館職員に向けたトレーニングを実施することで、職員の「ファシリテーション」や「コーチング」のスキル向上を支援し、多くの子どもたちが「身体を動かすことの楽しさ」を体験できる機会を提供してまいります。

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